2016年11月10日

ドックスベストセメントによる、なるべく削らない治療

一般歯科

みなさんは、むし歯治療を受ける時にどんなことを期待していますか。多くの方が、「なるべく削らないで治して欲しい」「再発しない治療が受けたい」などの希望をお持ちでいらっしゃると思います。

むし歯治療は、削って詰めて歯を咬める状態に戻す治療です。むし歯の大きさによっては削る量が増えたり、痛みがあるのがこれまでの治療でした。最近では治療技術の向上により、治療中の痛みや削る量が少ない治療が広がり始めています。当院では、ドックスベストセメント法や取り残しの少ない治療、独自の麻酔テクニックにより、なるべく削らない、痛みの少ない、確実で再治療のない治療に取り組んでいます。

「ドックスベストセメント法」でほとんど削らずにむし歯を治す

ドックスベストセメント法歯はとても硬く、ドリルのような硬い金属で削りますが、硬いもの同士で削るとヒビが入りやすくなり、新たなむし歯ができやすくなります。削らずに治療できればヒビや再発を防ぐことが可能です。そんな理想的な治療がドックスベストセメント法です。当院では、ドックスベストセメント法によるむし歯治療を行っています。

ドックスベストセメント法は、歯をほとんど削らずに薬を使ってむし歯を治す治療法です。むし歯の部分をごくわずかに削り、ミネラル成分を配合した薬を詰めると、むし歯菌が完全に死滅してむし歯が治ります。これまでの治療では、神経近くに達したむし歯は大きく削って抜髄していました。ドックスベストセメント法を使うことで、大きなむし歯でも神経を残したまま治療ができるようになりました。また削る量もごくわずかなので、痛みもほとんどなく低侵襲な治療が可能です。

「削らない・抜かない治療」はこちらへ

取り残しのないむし歯治療

取り残しのないむし歯治療むし歯治療は削り残しがあると、そこから感染が広がって再発する恐れがあります。当院が目指しているのは再発させない確実な治療です。むし歯の染め出し液や手用の器具を使い、ていねいにむし歯を取り除くことで、取り残しのない再発させないむし歯治療を可能にしています。

う蝕検知液で確認
う蝕検知液はむし歯を調べる検査液です。初期段階のむし歯は、健康な歯質との境目がわかりにくく、感染リスクを防ぐために大きく削りがちです。う蝕検知液を使うことで、削り過ぎや削り残しを防ぎます。歯に塗るとむし歯に反応して赤く染まります。染色した部分だけを削るので、むし歯以外の部分を削らずにむし歯の部分だけを確実に削ることができます。

ラウンドエキスカベーターでていねいにむし歯を削り取るラウンドエキスカベーター
エキスカベーターは、むし歯や詰めた薬等を取る器具です。通常のエキスカベーターは、むし歯の切削効率が悪かったり、切削能力が弱いため補助的な切削器具として使用されることが多い器具です。当院が採用しているラウンドエキスカベーターは、健康な部分を残してむし歯の部分だけを効率良く除去することのできるエキスカベーターです。さらに、むし歯が大きくなければ麻酔を使わずに治療ができることもしばしばあります。当院では、治療効果を高めるためにラウンドエキスカベーターを使用しています。

重度のむし歯を根管治療で長持ちさせる

根管治療むし歯が神経まで達すると、根の先にも感染が広がって病巣ができます。さらに進行すると、通常のむし歯治療では治療が困難です。そこで歯を保存するために細菌に感染した神経を取り、根管内(神経の通っている管)や根の先をキレイに洗浄する根管治療を行います。除菌した後に根の先を完全密封することで根管が無菌状態になり、口腔内の細菌が歯に感染するのを防ぐことができます。

通常の治療では歯を残すのが難しい場合でも、根管治療を行うことで歯の寿命を引き延ばせます。とはいえ根の先は複雑に分かれていて、細かい処置が多く処置中の感染リスクの問題等で再発率が高い治療です。当院では再発させない根管治療に取り組み、細かい部分まで配慮した緻密な治療を行っています。

精度の高い根管治療
一般的に、根管治療は治療期間が長いといわれていますが、実際は治療回数が増えると細菌感染リスクが高くなり、成功率が低くなります。根管治療を成功させるには、治療の質を高めて少ない回数で治療できることも大切です。拡大鏡で根管内を正確に確認し、感染リスクを避けるために無菌状態の中で根管治療を進めていきます。症状の改善が見られない場合は、CTで確認することで原因を特定することができます。こうした確実な処置で成功率を高めています。

●拡大鏡を使った緻密な処置拡大鏡
根管治療は細かい作業が伴うため、肉眼だけでは正確な処置をすることが難しい治療です。拡大鏡を使うことで、正確な治療ができるようになります。拡大鏡はメガネタイプの拡大レンズです。拡大鏡をかけて治療をすると、肉眼では見えない細部まではっきり見ることができるので、細かい処置が容易になり、根管内の細菌を確実に取り除くことができるようになります。

●歯根を無菌の状態に保つ
感染リスクを抑えるために、歯の内側に次亜塩素酸を入れた状態で治療をします。次亜塩素酸は15分くらいで細菌が完全に死滅する殺菌力の高い消毒液です。治療後に密封性の高いセメントで仮詰めをすることで感染リスクを防ぎ、少ない回数で効果的な治療を実現します。

むし歯の進行と治療

歯は脱灰と再石灰化を繰り返しながら健康な状態を保っています。お口が酸性に傾くと再石灰化が追いつかなくなり、むし歯になってしまいます。むし歯の進行度はC0からC4までに分類されており、数字が大きくなるほど重度のむし歯となり、より保存が難しくなります。歯を守るためにも早期発見・治療、予防が大切です。

CO:初期のむし歯CO
エナメル質がむし歯の菌の作る「酸」によって溶かされて、表面が白濁した状態です。歯みがきやフッ素塗布等の予防処置を行えば、再石灰化(むし歯が治ること)が望める状態なので、削って治すような治療は必要ありません。

C1:エナメル質まで進行したむし歯C1
歯の表面のエナメル質と呼ばれる層がむし歯の菌の作る「酸」によって溶かされて、小さな穴があいていますが、エナメル質に限局しており内部の象牙質には達していない状態です。一般的には、痛みなどの自覚症状がでていない状態です。治療方法は、むし歯をとり白い詰め物を入れるのが一般的です。

C2:象牙質まで進行したむし歯C2
むし歯が大きくなり、歯の内部の層である象牙質と呼ばれる層まで感染が広がってしまっている状態です。象牙質には象牙細管と呼ばれる神経につながる管が無数にありますので、冷たい物などの刺激で痛みを感じたりなどの自覚症状がでてきます。治療方法は、むし歯をとり白い詰め物を入れるのが一般的ですが、むし歯の大きさや場所によっては、型どりをして金属やセラミックなどの詰め物をいれる必要があります。

C3:神経まで進行したむし歯C3
むし歯が象牙質のさらに内部、神経のある場所まで進行してしまった状態です。ここまでむし歯が広がってしまうと神経に炎症が起きてしまい、激しい痛みに悩まされることになります。この状態になってしまうと、むし歯の除去だけでは痛みをとることが難しく、神経を取る治療が必要になってしまいます。神経が通っていた管を殺菌して薬で密封してから、被せ物をする必要があります。

C4:歯が崩壊して根だけになってしまったむし歯C4
むし歯の進行により歯のほとんどの部分が崩壊してしまい、根っこだけになってしまった状態です。この状態になると、痛みがなくなることが大半です。しかしこれは治ったわけではなく、神経が腐ってしまい、根の中に膿がたまることで腫れたり、時には激しい痛みを伴うこともあるとても悪い状態です。根の治療で治すように努めますが、治療が困難な場合には抜歯になることもあります。

見える歯科治療

見える歯科治療

治療前と比較して治療後に少しでもお口の中の状態がよくなると、治療の必要性がわかり歯を大切にしようという意識が生まれてきます。当院の治療の特徴は「目で見て理解を深める、見える歯科治療」です。治療前・後の口腔内写真を撮り、両方を比較して違いを見ていただきます。特に詰め物やかぶせ物の治療は、前後を比較することで治療効果をはっきり理解していただくことができます。

各ユニットに口腔内カメラを設置
口腔内カメラは、お口の中を撮影する専用のカメラです。当院ではすべてのユニットに口腔内カメラを設置していますので、必要に応じてその場ですぐに撮影を行うことが可能です。各ユニットにはモニターが設置されており、モニターに映してお見せします。治療前・後の写真を並べることで違いがわかり、治療の効果を一目でしっかりと確かめていただくことができます。

口腔内カメラを使った「見える治療」のメリット

口腔内カメラ口腔内カメラを使うことで治療前・後を比較することができるだけでなく、患者さまに口腔内の状態を明瞭に確認していただくことで、よりわかりやすくご自身の口腔内の状態を把握できます。その結果としてより効果的な診断と治療法のご説明が可能となります。

その日の治療内容がその場で確認できる
例えば詰め物の交換や、詰め物の下のむし歯の治療などでは、詰め物を取り外した状態を撮影する事で、治療前・後だけでなく、通常見ることのできないような途中経過も見ていただくことが可能です。詰め物の下でむし歯が広がっていたことが一目で確認することができます。

見えない部分の治療もわかる
奥歯や歯の裏側などは手鏡に映しても見えずらく、確認してもらうことが困難な場所です。特に小さなむし歯は、本当に歯が悪くなっているのかわからないことがよくあります。口腔内カメラを使うことで手鏡では見えにくい部分が確認でき、治療の必要性を理解することができます。

口腔内の診断にも役立つ
口腔内カメラは、むし歯や歯周病等の診断にも威力を発揮します。実際に撮影した画像をお見せしながら治療法を提案させていただきますので、口腔内の状態を把握していただくことができます。それをもとにご自身で治療法を選択していただけます。

クラスB滅菌器で徹底した滅菌対策に取り組む歯科医院

滅菌対策

治療で使用した器具やハンドピースには、唾液や血液等の汚れとともに細菌が付着しています。表面的な汚れであれば水洗いで落ちますが、細菌やハンドピース内部の汚れを完全に除菌することはできません。院内感染を防ぐには、いかに完全滅菌できるかが重要です。当院ではクラスB滅菌器やハンドピース滅菌器を導入し、滅菌対策を徹底させています。

世界最高基準のクラスB滅菌器で完全滅菌滅菌対策
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)とは、高圧水蒸気でミラーやピンセット等の治療器具を滅菌処理する装置です。オートクレーブは世界各国の歯科クリニックで導入されていますが、その基準は国ごとに異なります。特にヨーロッパの国々は最も厳しい基準です。ヨーロッパ規格にはいくつかのランクがあり、そのうちの「クラスB基準」は世界最高基準にあたります。

オートクレーブの庫内にミラーやピンセット等を入れ、庫内の空気を抜いて真空状態にした後、高圧蒸気で中を充満させます。この工程を数回繰り返すことで、器具の内部に水蒸気が行きわたり、あらゆるウィルスや細菌が死滅し、完全滅菌されます。クラスB基準のオートクレーブの導入により、治療器具を介した院内感染を防ぎ、清潔で安全な歯科診療が実現します。

タービン・ハンドピース専用滅菌器「DACユニバーサル」滅菌対策
歯を削る時に使用するタービンやハンドピースは、治療時に使用すると内部には血液や唾液が付着し、通常の洗浄では汚れをとるのが非常に困難です。そこで当院では、タービンやハンドピース専用の滅菌器「DACユニバーサル」を導入し、内側まで徹底して滅菌しています。近年、これらの切削器具の滅菌不足による細菌感染を懸念する声が高まり、滅菌対策に取り組む歯科医院が増えてきました。とはいえ、タービンやハンドピースの滅菌器を導入している歯科医院の割合は3割強(厚生労働科学研究より)と、まだまだ少ないのが現状です。当院ではDACユニバーサルを活用し、徹底した滅菌対策に努めております。

見過ごされがちな細かい部分の感染対策にもこだわっています!

「患者さまのお口に触れるものは全て感染リスクがある」との認識のもと、細かい部分にまでこだわって院内感染を防いでいます。当院では、治療器具やコップ、エプロン、手袋に至るまで、治療で使用する道具は可能な限りディスポーザブル(使い捨て)製品を利用し、患者さまお一人ごとにご用意します。

ディスポーザブル製品を使用
患者さまのお口や体に直接触れるものは、ディスポーザブル製品を使用しています。治療で使ったコップやエプロンには唾液や血液、細菌等が付着しています。ディスポーザブル製品でしたら毎回、患者さまごとに新しい紙コップやエプロンを使うので清潔です。患者さまのお口や体に触れたものが、別の患者さまのお口や身体に触れないように徹底し、治療を終えた後はすぐに廃棄処分します。万全の感染対策を取っていますので、安心して治療を受けていただけます。

治療器具は滅菌パックに個別包装滅菌パック
治療中に使用するミラーやピンセット等の器具は滅菌パックに個別包装した後、クラスBの滅菌器(オートクレーブ)で完全滅菌します。お一人さまごとに新しい滅菌パックを用意し、治療が始まる直前に開封するので衛生的で細菌感染の心配がありません。治療を終えた後は全ての器具を滅菌処理してています。お口の中に入れるものは、細部にいたるまですべて感染対策を行っているので、安心して治療を受けていただくことができます。

使い捨てのゴム手袋
患者さまのお口に素手で触れないように、ゴム手袋をはめて治療をします。歯や歯ぐきを触ったり歯を削ると、手袋に唾液や血液等が付着して汚れてしまいます。細菌感染を防ぐため、一度使用したゴム手袋は廃棄処分をし、患者さまごとに新しいゴム手袋を使い治療を行うことで、細菌感染を予防しています。

痛みに配慮した治療

痛みに配慮した治療

むし歯の治療前に、患者さまから「痛くしないでください」と言われることがよくあります。また歯科治療と聞くと、痛い・怖いというイメージをお持ちの方が多いようです。

当院のむし歯治療のこだわりは痛みに配慮した治療です。処置に痛みが伴いそうな時は治療前に麻酔をかけるので、歯を削る時の痛みがほとんどありません。針のない表面麻酔や電動麻酔器、麻酔前の緊張を和らげるお声がけなど、ハード面・ソフト面を充実させて、痛みやストレスの少ない治療に取り組んでいます。

治療を終えた後、患者さまから「痛くありませんでした」とおっしゃっていただくことがよくあります。細かい部分まで配慮しながら治療を進めていきますので、安心して治療を受けていただけます。

痛みの少ない麻酔注射

麻酔をする時の痛みの原因はほとんどが針を刺した時の痛みと薬を注入する時の痛みです。この二つは、表面麻酔や麻酔器を充実させることで解決が可能です。当院では、表面麻酔「シリジェット」と電動麻酔器「オーラスター」の導入により、痛みの少ない麻酔注射を行っています。

表面麻酔「シリジェット」すぐに効いて麻酔前の不安を軽減シリジェット
一般的な表面麻酔は塗るタイプですが、当院で採用しているシリジェットは、スプレータイプの表面麻酔です。液状の表面麻酔液を針の刺入部位に勢いよく吹き付けると、10秒ぐらいで患部がしびれてきて、針を刺した時のチクっとした痛みをなくすことができます。塗り薬タイプを使用すると浸透するまで少し時間がかかるので、患者さまはドキドキしながら待たれていました。シリジェットでしたらすぐに麻酔注射ができ、さらにより強力に効きますので患者さまのドキドキ感がなくなり、麻酔前の緊張が和らぎます。

「電動麻酔器」コンピュータ制御により痛みを少なく電動麻酔器
麻酔をする時、薬を注入する圧力や速度を一定にすると麻酔時の痛みや違和感を抑えることができます。一般的な手動の麻酔器は力加減のコントロールが難しく不安定になりがちです。当院の電動麻酔器「オーラスター」はコンピュータ制御による麻酔器で、注入時の速度や圧力が一定に保たれているので、安定した状態で薬が注入でき、痛みや違和感を軽減することができます。

痛みを緩和する麻酔テクニック
●少量の麻酔液を徐々に追加する
薬を一気に注入すると痛みを強く感じます。そこで少量の麻酔薬を少しずつ注入し、痛みを軽減します。

●人肌に温めた麻酔液を使用
冷たい麻酔液を使うと痛みを強く感じます。ウォーマーで人肌に近い温度まで温めた麻酔液を使うことで、痛みが和らぎます。

●極細の麻酔針を使用
針の太さも痛みに関係していて、細ければ細いほど痛みが少なくなります。当院では、麻酔針の中でも極細針を使うことで痛みを緩和しています。

麻酔前の説明で不安や緊張を和らげます

緊張し過ぎると身体が硬くなり、針を刺した時に痛みが強くなります。まずはその緊張を取り除くことが先決です。当院では麻酔前にきちんと説明を行い、不安や緊張を取り除きます。「即効性があって、麻酔効果が高い表面麻酔を使うから痛くありませんよ」と説明すると、ほとんどの方が安心します。また、麻酔前に深呼吸していただいたり、呼吸のリズムに合わせて薬を注入することで、麻酔時の痛みや違和感を緩和します。スタッフが常に患者さまの様子を見守っていますので、安心して治療をお受けください。

ドックスベストセメントで今ある歯をできる限り残します!

削らない・抜かない治療

当院のむし歯治療の基本は、なるべく歯を削らない・抜かない治療です。今ある歯をできる限り残すために、ドックスベストセメントを使った治療に積極的に取り組んでいます。

硬い歯を硬い器具を用いて高速回転で削ると、目には見えない小さなヒビができます。その小さな隙間にむし歯の菌が繁殖し、そこから新しいむし歯ができてしまい、再治療の悪循環が生まれます。削らずにむし歯を治すことで、むし歯の再発を防ぎ歯を長持ちさせることが可能になります。また、削ることで生じる痛みや不安も取り除くことができます。まさに理想的な治療と言えるのではないでしょうか。歯を削らずに薬で治す治療法は複数ありますが、ドックスベストセメントを用いた治療では約90%以上が成功しています。

アメリカでドックスベストセメントが開発されてから20年近く経ち、多くの臨床現場で使われるようになりました。その効果は極めて高く、ミネラル成分の銅には殺菌作用があり、その効果は半永久的に持続するといわれています。また亜鉛・リン・鉄・アルミ・酸化チタンのミネラルには、歯質を強化して歯を再生させる働きがあります。

<ドックスベストセメントが適応できるむし歯>
ドックスベストセメントは、神経付近に達したむし歯にも適応できますが、症状によっては治療が難しい場合があります。痛みのない場合はドックスベストセメントを用いた治療が可能ですが、ズキズキとした痛みがある場合は痛みを取り除く処置を優先して、別の治療法をご提案させていただくこともあります。

ドックスベストセメントのメリット

ドックスベストセメントドックスベストセメントの最大のメリットは、歯をほとんど削らずに治療ができ、削る時の痛みがほとんどないことです。むし歯の大きさにもよりますが、痛みのないむし歯ならほとんど対応可能で、さらに神経を残したまま治療ができるので、歯を長持ちさせることができます。また天然ミネラル成分を配合しているので身体にも優しく、お子さまからご年配の方まで、あらゆる方のむし歯治療に対応できます。

ほとんど削らずにむし歯治療ができる
ドックスベストセメントは薬で細菌を殺菌するので、むし歯をすべて削り取る必要がありません。むし歯の菌に感染した歯をごくわずかに削り、ドックスベストセメントを入れてその上から蓋をして完全密封すると無菌状態になり、象牙質が石灰化してむし歯が治ります。原因菌を完全に死滅させることで、むし歯の進行が止まり、歯を長持ちさせることができます。

痛みがほとんどない
ドックスベストセメントを使った治療では、必要最低限しか歯を削らないので、治療中に痛みを感じることはありません。さらに麻酔の注射を使わずに治療ができるので、痛みの不安が強い方でも安心して治療ができます。歯や身体に負担が少なく、どなたでも安心して治療が受けられます。

神経を残せるので歯が長持ちする
これまで、むし歯が神経付近に広がっている場合は、抜髄(神経を取る処置)が必要でした。ドックスベストセメントを使うことで神経近くに達しているむし歯でも、痛みがなければ神経を残したまま治療ができます。これにより神経を保存できる可能性が高くなり、歯を長持ちさせることができるようになりました。

象牙質を再石灰化させます
ドックスベストセメントの主成分は、天然ミネラルです。鉄(Fe)イオンと銅(Cu)イオンの相乗効果により、細菌を強力に殺菌して再石灰化させます。永続的に銅イオンを放出するので、高い殺菌効果が得られます。また天然ミネラル成分は人間の身体に欠かせない大切な成分なので、安全性の高い治療です。

CTを駆使した精密な検査

歯科用CT

インプラント治療や根管治療は難易度が高く、診断の精度が問われる治療です。レントゲンだけで判断がつかないと、治療を断念するケースも少なくありません。当院では歯科用CTを導入し、より精密な検査と正確な診断を行っています。

CTを用いた診断が求められる治療は、インプラント、歯周病治療、親知らずの抜歯、根管治療など、多岐にわたります。当院では、症状や治療経過を見ながら必要と判断した場合には、治療の質を高めるためにCT検査を行っています。

歯科用CT

歯科用CT歯科用CT(Computed Tomography)は、頭頸部に特化した歯科用のコンピュータ断層撮影システムです。X線とコンピュータで口腔内を輪切り状態にした断層写真を撮影し、コンピューター上で解析して、3D(立体画像)で確認することができます。一枚の画像の情報量が多く鮮明で、レントゲンでは見ることのできなかった口腔内の奥行や、歯と骨の位置関係、根の先の病巣や、神経や血管の位置、骨密度までわかり、より正確な診断が行えます。

インプラントから親知らずの抜歯まで多岐にわたるCT診断
当院では、治療の質を高めるために、必要と判断した場合は積極的にCTを用いた診断を行っています。他院では治療が困難と診断された方でも、当院のCTを用いた診断により、治療ができる場合もあります。あきらめずに精密な検査をすることで、希望が見えてくることも少なくありません。

CTを用いた診断が有効なのは、主に下記の治療です。

●インプラントインプラント
CT画像でインプラント治療の術前診断を行います。CTを用いた診断を行うことで、歯と骨の位置が立体的になり、正確な位置関係を割り出すことができます。骨密度や血管や神経の位置もわかるので、インプラント治療が可能かどうかを正確に見極めることができます。他院ではインプラント治療が困難と診断された場合でも、CTを用いた診断を行うことでインプラント治療が可能になる場合もあります。また、手術時の血管や神経を損傷するリスクを回避することができます。

●根管治療根管治療
通常はレントゲン検査をして治療を進めますが、根の先の病巣が特定できず治療を続けていても治療の効果がなかなか得られない場合があります。そのような場合にCTを用いた診断をすることで原因が特定でき、効果的な治療ができるようになります。

●歯周病治療歯周病治療
歯を支える骨の状態はレントゲンでは確認が難しく、進行状態によっては正確な診断ができない場合があります。CT画像を見ることで歯を支える骨の状態がはっきりわかり、検査の精度が高まるので、より正確な診断ができるようになります。

●親知らずの抜歯親知らずの抜歯
親知らずが神経や血管の近くにあると、歯を抜くときに傷つける恐れがあります。歯を抜く前にCT画像で神経や血管の位置関係を確認することで安全に処置ができ、麻痺や大量出血のリスクを軽減することができます。

CTを使うメリット

歯科用CTCTを用いた診断の最大のメリットは、精度の高い検査ができ正確な診断ができることです。正確に診断することで治療に伴うリスクが避けられるので、患者さまに少ない負担での治療が可能になります。通常はレントゲンで診断ができないと大学病院に紹介しなければなりませんが、CT検査が可能な当院ではそのような煩わしさがなくなり、より質の高い歯科医療の提供が実現します。

<CTのメリット>
・検査の精度が高まり正確な診断ができる
・治療に伴うリスクを回避し安全な治療ができる
・一つの歯科医院で総合的な治療が受けられる
・他院で治療が困難と診断された場合でも治療が可能になる場合がある

ていねいなコンサルテーション(カウンセリング)

コンサルテーション

みなさんは、歯の治療に何を求めていますか?「お口全体を治して欲しい」「悪い歯だけを治して欲しい」あるいは「できるだけ長持ちするように治療して欲しい」など、求めていることは人によって違います。歯科治療で必要なことは、一人ひとりのご希望を伺い、ご要望に沿った治療をご提供することです。当院ではコンサルテーションを重視し、患者さまのご要望に沿ったベストな治療をご提案いたします。

コンサルテーションは時間をしっかり頂きじっくりとお話をお伺いします
その方にとって最善の治療をご提案するには、治療前に口腔内の状態をよく知っていただき、歯のお悩みや不安、気になることなどをお伺いする必要があります。自分の歯への関心が足りなかったり、歯医者との意思疎通がうまくいかないといい治療結果が得られせん。当院では、本当にご満足していただけるような治療をご提供するために、コンサルテーションは時間をしっかり頂き、じっくりとお話しをお伺いします。

レントゲン写真や口腔内写真をお見せしながら、お口全体の清掃状態や、むし歯・歯周病、あるいは咬み合わせの状態をご説明し、治療方針等についてわかりやすくお話しします。患者さまが考えていることやお悩みや不安、思いを引き出しながら進めていきますので、気になることがありましたら、何でもお話しください。ご理解いただけるまで、わかりやすくていねいに説明いたします。

「お口の未来像」を明確にします!

「あなたは、70歳80歳になった時にどういうお口の状態でいたいですか?」
これは、コンサルテーションを始める前に必ずお伺いする質問です。患者さまには、それぞれ理想とするお口の状態があると思います。例えば、80歳で20本の歯が残っていて欲しい。すでに歯を失っている人であれば、インプラントにして何でも咬めるようになりたい。人前で思いっきり笑えるようになりたい。など、患者さまの理想とする状態をお伺いすると、治療のゴールがはっきりしてきます。それに基づき治療計画を立案するので、患者さまにとってベストな治療法のご提案ができるのです。ゴールと未来像を明確にすることで、患者さまもスタッフ一同もそこへ向かって頑張ることができます。

選択しやすいように治療法を絞り込んでご提案いたしますていねいなコンサルテーション
同じむし歯でも、複数の治療法が考えられます。それらをすべてご提案すると、何を基準に選択すればいいのかわからなくなり、かえって患者さまを混乱させてしまいます。当院では、患者さまが選択しやすいようにお口の状態やご要望を踏まえながら治療法を考え、その中からベストな治療法を2~3個に絞り込んでご提案いたします。2~3個に絞ることで選択肢が多すぎず少なすぎず、検討するのにちょうどいい数になります。患者さまの迷いもなくなって、ご納得した上で治療を受けていただくことができます。どんな治療においても患者さまのご意思を大切に考えていますので、ご要望があれば遠慮せずにお話しください。可能な限りご要望に沿った治療法をご提案いたします。

歯と全身の健康を考えた歯科診療を目指しています

初めての方へ

「8020運動」の広がりで、歯の健康を意識する人達が増えてきました。むし歯の罹患率は減少したものの、実に成人の約8割以上の方が歯周病に感染していると言われています。日本は世界で一、二位を争う長寿国でありながら、歯の寿命が高齢化に追いついていないのが現状ではないでしょうか。

70歳、80歳になった時、健康な歯が少ないと自分の歯で食べ物をしっかり咬んで食べることができません。胃腸に負担がかかり全身の健康にも悪い影響を与えるようになり、生活の質が低下します。また、咬むことができないと脳が活性化されなくなり、認知症の原因になってしまいます。足腰に力がはいらなくなり、転倒から寝たきりや要介護になってしまう原因にもなってしまいます。普段からお口の健康を意識していれば、いくつになっても健康で充実した生活が過ごせます。そのサポートをするのが当院の務めです。お口の健康は全身の健康につながります。当院では、地域のみなさまのお口の健康(健口)を守ることで、全身の健康をサポートする歯科医療に取り組んでいます。

予防歯科を重視した歯科診療

初めての方へ患者さまのお口と身体の健康を守り、生活の質が高まる歯科治療の提供が、当院の一番大切な仕事です。そのために、予防歯科に力を入れた診療を行っています。

40代、50代になり、歯周病になってから歯科医院に通って治療を受ければ進行を食い止めることはできますが、完治は望めません。悪くなる前に定期的に歯科医院に通っていれば、歯周病の早期発見・治療と予防が可能です。さらに乳幼児時期から口腔ケアを始めると、むし歯菌の繁殖を予防でき、歯をフッ素で強くすることで、むし歯知らずのお子さまになります。早期から始めることで口腔内環境が整い、永久歯に生え変わった後も、むし歯・歯周病にかかりにくくなります。当院では、乳幼児期の口腔ケアを重視しています。また出産を控えている方や、お母さま方への指導にも力を入れています。

患者さまに寄り添いながら、生涯、健康なお口と身体をお守りするために、精一杯の努力をいたします。お気軽にご相談ください。

コンサルテーションを大切にしています

初めての方歯科医院に行っても、「本当に言いたいことや望んでいることが伝わらない」ということがよくあると耳にします。じっくり時間をかけてお話していく事でお互いに信頼関係が生まれて、本当に言いたいことが言えるようになります。

当院では、本当に言いたいことが伝えられるコンサルテーションを目指しています。お話をじっくりお伺いしながらお考えやご要望を引き出していくため、たっぷりお時間を取ってコミュニケーションを図ります。最初は漠然としたご要望をお持ちの方でも、時間をかけることで考えが明確になり、言いたいことを伝えられるようになります。コンサルテーションは今後の治療方針を決める重要な時間です。それを見越した上で、ご来院いただけると幸いです。

治療の流れ

Step1.問診と検査
現在のお口の状態や歯でお困りのこと、現在の健康状態、治療に求めることなどをお伺いしてから検査を行います。検査内容には、パノラマレントゲン撮影、口腔内撮影、むし歯・歯周病検査があります。さらに精密な検査をご希望の方には、唾液検査や顕微鏡を使った検査、CT検査なども行うことが可能です。
次へ
Step2.コンサルテーション
検査結果を踏まえて、コンサルテーションを行います。レントゲン写真や口腔内写真をモニターに映してお見せし、お口全体の状態や現在の問題点や今後の変化を予想し、患者様のご希望を伺いながら、治療法をご提案させて頂きます。
次へ
Step3.治療
治療計画に沿って治療を進めていきます。治療の前・後に口腔内カメラで口腔内を撮影し、比較した画像を見ながら治療結果を確認していただきます。
次へ
Step4.メインテナンス
治療後の状態を維持するために、定期的なメインテナンスをおすすめしています。メインテナンスでは、歯のクリーニングを行い、お口の健康の維持管理と、むし歯や歯周病の早期発見・治療に努めています。

カウンセリングをおこなっております

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