歯周病治療の基本は、原因となっている汚れの除去です。早期の段階であればスケーリングやSRPでほぼ完治させることが可能です。スケーリングやSRPだけでは歯周病が改善されない場合には、歯周外科処置・歯周内科療法・歯周組織再生療法などが適応となります。
スケーリング
スケーラーと呼ばれる専用の器具を使い、汚れを除去する治療法です。歯や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に付着したプラークや歯石を1本1本ていねいに取り除きます。汚れと一緒に細菌も除去できるので、お口の衛生環境がよくなります。数回継続すると歯ぐきが引き締まって、歯ぐきの炎症が改善されます。当院では、超音波スケーラーを使ったスケーリングを行っています。
●超音波スケーラー
超音波スケーラーは超音波の力で歯石を強力に粉砕するので、痛みや取り残しの少ないスケーリングができます。
SRP(スケーリング・ルート・プレーニング)
SPRは専用の器具を使って、歯ブラシでは落とせない歯茎の奥の方に付着した歯石を取り除く治療です。スケーラーを歯周ポケット内部に入れて、根の周りについている歯石を除去します。指先の感覚だけが頼りになるため、歯科衛生士の技術力による所が多いです。日々研鑽を重ね、ていねいで確実な治療ができるよう努めています。
歯周内科療法
通常の歯周病の処置は、物理的に付着した汚れを取ることが主な目的です。歯周内科療法とは、薬を使って歯周病の細菌を減らしていくということが目的の最新の治療方法です。通常のスケーリングやSRPを行うのと同時進行で、位相差顕微鏡と呼ばれる器具でお口の中にある細菌を調べさせていただき、その結果に基づき、抗生物質や抗真菌薬などを用いて細菌を減らしていきます。治療後に再び顕微鏡による検査を行い、改善していることを確認させていただきます。通常の方法では改善が見られなかった方にも効果が期待できます。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法は、歯周病菌によって破壊された歯槽骨(歯を支えている骨)にエムドゲインと呼ばれる薬を使って歯周組織を再生させる治療法です。麻酔をかけて歯ぐきを切開し、歯根の表面に付着した汚れを徹底的に取り除いた後、再生誘導材等を注入します。治療がうまくいけば数か月から1年程度で、歯周組織が健康な状態になります。非常に高度な技術を必要とするため、重度の場合は大学病院をご紹介させていただくこともあります。